「非鉄金属製造業」の概要と将来性

自動車や電機関連部品の材料となる素材

非鉄金属とは、鉄以外の鉱物類でありそれぞれの素材の特性を生かし自動車部品や電機製品を作るときの素材として使用されます。
身近な素材としてはアルミニウムやマグネシウムなどの軽金属があり、他にもベースメタルと言われる銅やスズ、亜鉛など、さらにレアメタルと言われるニッケルやクロム、マンガンなどがあります。

一時期海外から輸入されるレアメタルが規制されたことにより、自宅で眠っている不要となった携帯電話を回収する大々的なキャンペーンが行われましたが、このように非鉄金属は私達の生活を支える電子機器などの製品製造にとって非常に重要な役割をします。

日本国内においてはそうした鉱物資源は十分に採取をすることができませんので、その材料の大半を海外からの輸入に頼ることになります。

日本国内にある非鉄金属大手は海外に独自の供給ラインを持っており、国内に持ち込まれた素材を使用して工業製品として使用できるように工場で加工をしていきます。

国内企業における非鉄金属業界は大手8社が中心となっています。
業界トップは住友金属鉱山株式会社で、次いで東邦亜鉛株式会社、DOWAホールディングス株式会社などと続いていきます。
大手以外にも全国には非鉄企業が多数存在しており、そのうち52社が「JMIA日本鉱業協会」に加盟をしています。

製品の輸出に力を入れる動きが加速

非鉄金属の中でもここ最近で非常に需要が高まっているのがアルミ製品です。
アルミニウムは私達の生活では缶ジュースの容器や1円玉など身の回りにあるものに多く使用をされているのでなじみのある金属ですが、他にも各種機械類の部品としても広く使用されます。

しかし2014年に日本軽金属ホールディングスが所有していた国内唯一のアルミ精錬の拠点を閉鎖してしまったことにより、業界内での構造がまた大きく変動しつつあります。

非鉄金属産業においては会社がどのようにして独自のルートで素材の供給を確保できるかが重要になってきますので、正社員として採用をされた場合には多くの社員が海外の鉱業会社との交渉を経験します。

他の産業とやや異なるのがこの非鉄金属業界は非常に定着率が高いということで、新卒で採用をされた人がそのまま長く勤務をするというケースが大半です。
ですので工業関連で長く仕事をしていきたいというならこの非鉄金属は狙い目といえるかもしれません。

採用をされた場合はまず製造ラインの一員として工場内での作業を経験することになりますが、そこで実績を作っていくことにより正社員やマネジメントの仕事へのキャリアアップができます。
求人は新卒だけでなく中途でも数多く募集されているので、細かく業界の情報をチェックしていくとよいでしょう。