「自動車製造業」の概要と将来性

自動車1台に使われる部品は約3万点

自動車産業といえば、日本国内だけでなく海外にも大きな市場を持つ代表産業の一つです。
自動車を1台作るために必要となる部品は約3万点にものぼっており、それらを製造する企業を合わせると一口に自動車産業といっても非常に裾野の広い分野と言えます。

しかしながら長引く不景気の影響もあって自動車の購入需要はここ数年急激に落ち込みを見せており、自動車産業業界も全体的に苦しい経営をすることになってしまっています。
税金や維持費がかかる普通乗用車よりも軽自動車の人気が高くなってきていることもあり、自動車産業でも軽自動車の製造に力が入れられています。

日本国内にある自動車産業の中でも販売台数が最も多いのはトヨタ自動車であり、次いでホンダ、スズキ、ダイハツという順番になっています。
ただし最初にも述べましたが自動車産業というのは非常に裾野の広い業界分野ですので、これらの自動車産業は完全に独立した経営をしているわけではなく、部品供給や技術開発などを共同出資によって行っていることもよくあります。

例を挙げると業界トップのトヨタ自動車は業界4位のダイハツ工業に51.2%の出資をしており、トラック大手の日野自動車の50.1%の出資をしています。(比率は2014年時点のもの)。

自動車製造業の仕事の種類

自動車製造業へ就職をする場合、いくつかの職種から選ぶことができます。
営業や人事、総務や経理といった一般職とは別に、実際の生産ラインで自動車製造を行う業務がありますので、そちらの中から選ぶのがよいでしょう。

製造ラインの仕事としては、生産や研究開発などがあり、入社をしたばかりの人員はまず実際の組み立てを経験することで工場全体の仕組みを覚えていくことになります。

現在自動車産業の生産ラインの主力となっているのは「期間工」と言われる非正規の工場勤務で、組み立てをするコンベアの担当分野での仕事をしていきます。
期間工はかなり時給額は高いのですが、その半面忙しい時期が終わったらそこで仕事が終了になってしまうという不安定さがあります。

しかし自動車業界の期間工求人は頻繁に出されるものであるので、経験を積んでいくことでより採用をされやすくなり次のキャリアにも生かすことができます。
なお期間工として募集をされるのはだいたい30歳くらいまでで、採用時の健康診断に引っかかるとそこで不採用になってしまいます。

期間工から正社員になるための登用試験もあり、作業をして2年め以降で職場から推薦があった場合には準社員登用試験を受けることができます。
正社員になることで生産ラインでの作業から品質管理や生産計画などのマネジメントの仕事をするというキャリアアップが可能となります。